やっと持ち上げられていた顎を解放されたのは良いものの、
本当にどうしよう…。
お母さんに何て言えばいいのか…。
そういえば、まだ連絡もしてないし――
「はぁ…。」
溜め息ひとつ。
私の単細胞な脳では、良い解決策は思い浮かぶはずもなく、無意識に出てしまった。
『何だ、また何を悩んでいる?』
「それが…お母さんに何て報告すればいいのか――あ。」
食事中。
ボーっとしていたため、会長の質問にもあっさりと答えてしまった私。
行儀も悪いし…。
「ごっ、ごめんなさい。今のは忘れてくださいっ」
ぅあー…っ
会長に話したって、どうせ正直に話せって言われるだけじゃないのー。
何やってるの、私ったら…。
もっとしっかりしなきゃと思っていると――
『生徒会の合宿と言えばいい。』
「え…?」
『緊急の合宿が入った、と。まぁその分、1週間ほどはここにいなければいけなくなるがな。どうする?』
試すような表情。
私を助けるのか助けないのか分からない会長の提案だけど、
それ以外、私には言い訳は見つからなかった。

