『だから、実家じゃないと言っている。だから両親はいない。まぁ、実家でも、両親は海外にいるがな。』
「え、はっ…?」
一気にそんな事を言われても、一庶民な私には、何を言っているんのかさっぱりだった。
「え、じゃぁ…ここは一体…?」
『別荘。』
「ぇえっ…!?」
こんな東京のど真ん中に!?
別荘があるなんて…。
ありえない…。
この言葉が一番ぴったりだと思う。
『だから、今日はもう泊って行け。』
「ぇ、ぁ、はい…?」
とうにキャパシティを超えていた私は、小さくうなずくだけだった。
それが、どれだけ重要な事であるかもわからずに。

