『――とりあえず、飯にするぞ。』
鬼会長でも、人間の本能には勝てないらしく、一時休憩となった。
「あの、私も…ですか?」
『あ?』
「ひっ、ぃや、その…っ」
どうしても、会長に睨まれ…というか、見つめられてしまうと、怯んでしまう私がいる。
会長に慣れるなんて、絶対に無理だよぉ…っ
『腹が減っては戦は出来ぬっていうだろ。』
「は、はぁ…。」
『はぁ…面倒くさいな。何も気にせず食べて行け。俺に甘えろと言っているんだ。』
「は、はいっ…!」
結局、会長の口車に乗せられて、私は部屋を出た。
甘えろ、か…。
甘えていいのかなぁ…。
他人に甘えるなど、今までしてこなかった私は、戸惑いを感じる。
「あの、昴様のご両親は…」
『気にするな。ここは実家じゃない。』
「・・・はい?」
食事をするという事は、会長のご両親とも顔を合わせることになるという事。
会長の後輩である私がいていいものなのかと疑問に思いご両親の事を尋ねると、これまた予想外な返事が返って来た。

