いじめられっ娘。




「か、わぃい…って…」


初めて異性からそんなことを言われて、私は戸惑う。

こんなとき、どう反応すればいいのかなんて分からなかった。

ただ、顔を赤らめて、視線を泳がせることしか、私には――


『ヒナは可愛いよ。』

「っ…!?」

『すぐこうやって赤くなる。』


なんなの。


『こんな反応、可愛くないわけがない。それに、』


会長って、本当にいじめっ子だなって思う。

しかも、天性の。

だって、


『それを俺だけが独占できるしね。』

「~っ///」


こんなときだって、私をいじめるんだもん。


『だから、ヒナは可愛いんだ。』


私を甘やかして、ちょっと意地悪言って、でもまた優しい言葉を紡いで――


『早く、俺に慣れろ。ヒナ――?』


その黒い瞳に、溺れそうになる。