「ぅ、そ・・・」


降りた先に見えたものは、私が生きていて初めて見るどデカ過ぎる豪邸だった。

ありえない…。

こんな家が、現実にあるっていうの…?

まるで、夢のようだった。

それほど、私にとっては、今目の前にある事実が到底真実味を帯びていなかったのだ。


『――行くぞ。』

「えっ、ぁ、待って…っ」


口を開けて驚いていた私をさっさと置いて中に入ろうとする会長の後を、私は急いでついて行ったのだった。

そして、豪邸に入ってすぐ、もう自分の家に帰る事は不可能だと気付く私だった。