そんな私が、生徒会長に目をつけられてしまった。
今月から新しく編成された生徒会を率いるのは、生徒会長こと、沖野 昴(オキヤ スバル)。
私と違って、会長は文武両道。
勉強もできるらしいし、運動神経も抜群だって女の子が噂してるのを聞いたことがある。
そんな人が、何で私を……
しかも、会長補佐。
よりにもよって会長補佐なんかに、私を指名するなんて、
「…私への罠……とか…?」
私を騙してるだけとか…?
そうだったら―――
『罠って何の罠?』
「っ・・・!?」
考え込んでいた私の耳元でいきなり聞こえた声に、声さえ出らず驚く私。
な、なんで…ッ
「かい、ちょ…」
『やぁ、松下さん。』
振り返った先には……会長が笑っていた。

