いじめられっ娘。




「泣いたって、どうせ苛めるんでしょ…?」

『……!』

「泣いたって泣かなかったって、どうせ変わらない…!泣いたら弱虫だとか、根性ないとか言って苛めがエスカレートするのに、なんで泣かなくっても苛めるの!?私はっ……苛められたくなかったから…っ」


苛められたくなかったから、苛められても泣かないように頑張って来たのに――…

そんなことを言われてしまうと、どうしていいか分からないじゃない…っ


『…何、もう反論終わっちゃうの?』

「っ…!」

『つまんねぇ。』

「!?」


つま…っ!?

そうは言ってても、私を見つめる会長の瞳は優しいような――…気がした。


『いじめられっ娘のくせに、気は強いんだ?』

「…ッ」

『ますます楽しみだな。』


うん。

前言撤回。

気のせいだ、気のせい。


こんな意地悪そうな顔で笑うこの人が、優しそうに笑ったなんて…


気のせい、

だよね…――?