「繭が、好きだよ」



耳元で囁く、甘く低い声にゾクッとする。


頬には一筋の涙が流れた。


そして抱き締められている腕の中で振り替えって、
彼を見つめながら言った。


「私も…好きだよ、朔弥のこと。」



朔弥はいつもの冷たい瞳なんかじゃなかった。

今は、全てを包み込んでくれそうなほど暖かい瞳。



「初めて会ったときから…、ずっと。」



言い出せなかった言葉。

ずっとずっと、胸に秘めていた想い。