君のためなら・・・(短編)


その時菊池は


「ち・・・なんで、なんであいつなんだよ」


そんなことをつぶやいていた




俺たちは、部屋に行き、

椅子に座った


「聖悟君・・・あんまり、お兄ちゃんにひどいこと言わないで?いいお兄ちゃんなんだよ」


「・・・っ」


いいお兄ちゃん?前世だとしてでも、貴女を殺した奴なんですよ?


「・・・うるせー」

「聖悟君?」

「そんなにあいつが大事?俺は嫌いだ。お前を傷つける」

「・・・お兄ちゃんはそんなことしないよ」

そんな目で見るなよ

玖音が兄を便りしてるのなんか見てればわかる


だけど


「俺を、頼れよ」

いつも明るくしてる俺には珍しく顔をゆがめていった

「俺にしろよ・・・。お前が好きなんだ。好きなんだよ。あいつのことなんか言うな」

俺は、最低だ・・・こんなことを言うなんて


いらだちに流された告白なんか伝わるわけない