君のためなら・・・(短編)



「どうぞ」

そういって、俺を家に招く

「おーサンキュー」


俺が入ると上から階段を下りてくる音が聞こえる


「あ、お兄ちゃん」

俺には見せないような笑顔を


あいつに見せる


なぁ、前世だけじゃなく今でも、あなたはあいつが好きなんですか?


俺をみてはくれないのですか?


実際余裕なんてない


あまり、感情を出さない、玖音。俺にも引っ込み思案


なのに、あいつの前では違う


イライラするんだ


なんで・・・なんであいつなんだよ

「豊田・・・来たのか」

また顔をゆがめるあいつ

「・・・悪いですか?」

「ちょ・・・聖悟君?」

玖音は俺にやめてという視線を送ってくる


俺が悪いのか?


俺は舌打ちをして、玖音と一緒に上に行き


玖音の部屋に入った