俺は目がさめると、白の世界にいた。
何も無い。ただ浮いているだけだった。
ー俺は死んだのだろうか?ふとそんな
疑問が頭をよぎった。光は光だし。
フ・・・
目の前に静かに光が現れた。
長い間光ると、中から人間が現れた。
ー俺と似たような顔をした少年が、
安らかな顔をして眠っていた。
コイツ、生きてるのか…?
俺はそいつに近付いてみた。
呼吸をしている。寝ているだけだ。
何でコイツと俺が、ここに飛ばされたんだ?
「ん?」
不思議とコイツを見た覚えがあった。
俺は記憶を辿った。すると、ずっと前から
見ている夢に出てくる少年にソックリだった。
「ふあ~?」
「うぉっ!!」
目の前で寝ていた少年が目を覚ました。
俺を見つめたあと、まわりを確認して、
いきなり動揺しだした。
「何だココ!?お前、誰だ!?」
「俺だって知らねぇよ、空が光って、
勝手に連れて来られたんだよ!!」
少年は驚いた顔をした。
「お前…夢に出てきた奴とソックリだ。
何か縁があるんじゃないかな?」
ーコイツ、俺と同じことを言ってやがる。
ユウはナツナから聞いた神話を思い出した。
”裏の世界にもう1人の自分がいる”。
何故か人目見た時から、初めて会ったという
気分ではなかった。それはシュウも同じだった。
「お前、もしかして…」
ユウが先を言おうとする前に、
まわりが光り始めた。
「何だ!?」

