「そのとおりだ」
青年が口を挟んだ。

そして、手から方位磁石のような
ものを出して二人に渡した。
「これは?」
「それが指す方向へ行け。そこでは
色々な出来事が起きるだろう…悲しい
こと、嬉しいこと、大事なこと…
それを全て乗り越えれば世界は一つ
になる筈だ…」
そこまで言うと、青年は消えかけていた。
いや、ユウ達が中立の世界から消えようと
していたのだ。

「頼んだぞ…シュウ…ユウ」





あぁ、そうか。
そういうことだったのか。

俺はきっと、お前をーユウを
守る為に、生まれたんだ。










気が付くと、海岸にいた。
空は気持ち悪いほど赤かった。
まわりの景色から見て、おそらく
ここは光の世界だろう。

シュウは隣で気を失っているユウに
声をかけた。

「おきろ!!いつまで寝てるんだ」
「ん~…」
ユウは起きるとあたりを見回し、
状況を理解すると申し訳ない顔を
して言った。

「これの指す方に行けってか…」