大丈夫。
きっと
大丈夫
和音先輩がいるから
大丈夫
大丈夫
だいじょうぶ
ダ·イ·ジョ·ウ·ブ
自分の心に言い聞かすように、唇を動かして何度も呟く。
友梨は、コクリと頷くと。
「和音先輩?」
と、言って、めずらしく自分から、和音と唇を合わせた。
軽い、触れるだけの、可愛いキス。
そして。
「私のこと、離さないで下さいませね?友梨が、おかしくならないように、和音先輩が友梨を見張っていて?友梨を……離さないで?」
と、言って、和音の背中に手を回し、ギュッと、強くすがりついた。
和音は友梨の背中を軽くぽんぽんと叩くと。
「ああ。離さない。離してって言われても、離さないから安心しろよ」
と、言って、彼女の背中にある手をクロスさせるようにして、友梨を強く抱きしめた。
「……………もっと」
小さな声で、友梨。
「友梨?」
「もっと強く、ぎゅうってして」
切な気な、友梨の声に、和音は友梨を抱く腕に力を込める。
けれど友梨は。
「ダメ。もっと……もっと強く」
と、言って、自分が和音にすがりつく腕に力を入れる。


