「和音……先輩」
和音の言葉を聞いて、友梨は軽く眉をしかめた。
確かに私は、和音先輩を、傷付けた。
「けど、まあ…そこはどうでも良いか。オレが勝手に傷付いた訳だし」
「和音先輩?」
「オレが言いたいのは。友梨がオレの罪ごと愛し共に裁かれる。そう、思ってくれているのなら。いや、今はもう思って、いなくても。友梨が罰を受けるような事があるなら」
「……」
「その罰は、オレが受けるから、心配するなって、それだけだ」
「……和音先輩!そんなこと!」
慌てて、首を振る友梨。
繊細なパールのつり下げタイプのイヤリングがシャラシャラ揺れる。
「だめ!そんなこと」
「だめじゃないよ。大体オレ達、夫婦になるんだろ?妻を守るのは夫の役目だ」
そう言って和音は友梨のおでこに優しいキス。
友梨は一瞬戸惑い、けれど、嬉しそうな顔をすると。
「でも、だったら……私も一緒に受ける。そのほうが、いい」
と、言って、和音の手をそっと引き上げると、愛おしそうに頬ずりをした。
和音は、友梨の様子を見て幸せそうに微笑うと。
「その前に、罰なんてあたらないから安心しろよ」


