…………
………………どうして。
友梨は、和音のキスに目もとを赤く染めながら、自分の心に問いかける。
どうして、和音先輩でないとダメなの?
どうして、和音先輩のキスはこんなに心地良いの?
どうして?
どう、して?
教会の控え室で。
式の前だというのに。
こんなに 長く、甘い、くちづけ……
でも。
……ああ。
イエスさま。
どうかお許しになって。
快楽、だけでなく。
友梨は、和音先輩を、愛して、いるの。
そう…愛して、る。
和音先輩の、甘い唇も、優しくて少しだけ低い声も、私を抱きしめる腕も、頬を撫でる指も。
考えたら、おかしくなりそうな位
好きで、好きで好きで たまらないの。
消してしまいたかった自分が、和音先輩に愛される度に、清められていくような、そんな気が、するの。
……ねえ。
イエスさま。
この、想いは。
真実の道に繋がっているのでしょう?
ねえ……
そっと唇を離されると、友梨はぺたりと和音に抱きついたまま。
「どうしたらいいの?和音先輩……私、少し怖いみたい」
と、言って火照って薄桃色に染まった頬をさらに赤くした。


