まぁ、黙ってくれてるなら良いけど。

服を片付け、炊飯器のスイッチを入れ、お風呂の用意をしてると、兄貴も帰宅した。



「おかえり。遅か…」



「風呂」



「ちょっと待った!」



私は兄貴は背後に隠した手を掴んだ。

拳から流れる血は、今までとは違う喧嘩を物語ってる。

良く見れば、顔にも痣がある。



「何があったの?」



「別に」



「……何なのさ……」



私の手を振り払い、兄貴は脱衣場へと行ってしまった。

兄貴が殴られるなんて、よっぽどの相手。

…話してくれても良いのに。