「ほら……早く入りなよ」 そう言って爽やかな笑みを浮かべる彼……須藤さんが、キョロキョロと辺りを見回す俺達を手招いた。 そっと横を見れば、霧島さんは緊張しているのか、強く拳を握り締めたまま俺の動きを窺っている。 「とっとと入れよ。とろい奴等だなぁ~。ケケッ」 そう言って俺の肩に図々しく乗っているコウモリが、馬鹿にした様に笑った。 それに少し眉を顰めながら、ゴクリと息を呑む。