姫崎歌夜(ひめざきかや)。それが私の名前。


トモダチの李津(りつ)といつも通りのくだらない会話をしながら通学路を歩く。


夏の眩しい太陽がコンクリートを熱する。




「てゆーかさぁ、よくこんな暑い日に長袖なんて来てられるよねー。足タイツだし、見てるだけでこっちが暑くなるよ」


『そんなこと言うなら見なきゃいいでしょ』



この時期は、フツーの人は半袖の制服を着る。


でも私は一年中長袖。


半袖を持っていないとかじゃなくて、ヒトに見られてはいけないカラダをしているから、隠すためってところかな。