「分かりません。学校が好きなのは知っていますが……」 「ゲームセンターとかは?」 「もしかしたら行ってるかもしれませんね」 桜子は悲しそうに笑った。 笑う姿が痛々しく見える。 「……誘拐なんて嘘だと思うけど?」 不意に悠里が口を開いた。 みんなが一斉にそちらの方を向く。 「不可能よ。だって……あの夏紀だもん」 「あの夏紀?」