「ん?いやぁ、何でもないよ。じゃあ行こうか」 紘哉に声を掛けられ、ハッとなる。 彼は立ち上がると、狸翠にビニール袋を渡した。 彼が見ていたのは、シュシュのビニール袋。 ピンク色の下地に松が描いてある、和と洋が融合したような物だ。 特に変わったところはない。 「……?」 じっくり観察していた意味が分からず、紘哉は首をかしげた。