「取り敢えず、春野さん達に聞き込みをしよう。机上の論理は嫌いだ」 狸翠は立ち上がると、さっきの倍以上の早さで扇ぎ始めた。 「そうですね。男四人だとこの部屋もむさ苦しい」 「一応、ここら辺も警官が夏紀ちゃんを捜査している。そっちの情報も待ってみようか」 一斉に頷く。 そして、やっと腰を上げた。 ぞろぞろと移動していくなか、芳樹だけは未だにビニール袋を見つめていた。 「……おじさん?」