紘哉の格闘する姿を見ながら、芳樹は満足そうに頷く。 「これなら君の父さんに言っても問題ないね」 「問題大有りだ。まず、何の仕事をしてるか分からないおじさんに呼ばれたことが問題」 「酷い言い様だね……」 「しょうがない。家族会議になったし」 これは冗談ではない。 どうやら、父親も数年近く芳樹に会ってなかったらしい。 その上、紘哉単体で呼び出される。 不安になるのも当然の事だ。