芳樹の葬儀はしめやかに行われた。 あの後、紘哉の家族が飛ぶようにこちらまで来た。 まさかの新盆。 誰がこうなることを予想できただろうか。 「おじさん、どうして?」 姉の紘実(ひろみ)が遺影に向かって小さく問いかける。 小学校以来会ってないはずだが、やはり身内が無くなるのはショックが大きい。 「……殉職だ」 「殉職?」 紘哉の答えに紘実が驚いた顔をする。