春野家。 紘哉はちゃんと、悠里の元へやって来た。 あれから9時間、彼はみっちり拘束されていた。 外の状況が知りたい。 たまに悠里の目を盗んで携帯を開くも、全く連絡は入っていなかった。 「『be to 不定詞』って無限の可能性を秘めてるんだよ」 「そうなんですか」 相づちを打つも、全く頭に入ってこない。 そんな紘哉の気も知らず、悠里は楽しそうに授業を続ける。