「いつからバレてたの?」
「かなり前?」
「はぁ~?……嘘は上手くなったつもりなのになぁ」
「あ~あ~」と言いながら、私は無意識に八神から逃げるように、近くの席に座った。
八神はグラウンドを見たまま、話を続けた。
「全然下手くそ。まあ鈍い本人達には気付かれてないみたいだけど」
「本人達に隠せてたら良いの。八神が黙ってくれてれば……」
「別に言わないよ。そんな悪趣味ないし」
「八神さえ黙ってくれてたら、いつの間にか静かに消えてる事だしね」
八神にバレた嘘。
それは、私が幼なじみの三上輝(みかみ・ひかる)に、小さい頃から好意を寄せている事。
ずっと一緒に居たし、何をするのにも同じだったから
周りからは、「付き合ってる」なんてからかわれたりもした。
だけどそんな幸せな日々も、高校生になるとコロッと変わってしまった。
理由は、私の新しい友達、奈緒(なお)と輝が出会ってしまったから。

