「捕まらなきゃ大丈夫だって」


「だって捕まった人がいるんでしょ?見張りとか、よけい厳しくなってるんじゃないの?」


「あーもう、なんで今日に限ってこんなに鋭いの!?」


 自分で言って、そして気付く剣。


「……テトラくん、もしかして、怒ってらっしゃる?」


「どうして?」


「えーと、ボクが倒れて、文字通りバウンドして叩き起こした挙句、下敷きにされたから?」


 やっぱあの起こし方はまずかったかー
と反省する剣に、テトラはため息。


「別に、怒ってはいないけど。
……もし本当に僕のせいであの子が囚われてるのなら、誰よりも先に行くべきだとは思ってたから……」


「え?
それってつまり、昨日は行こうって思ってたってこと?」


「行くしかない、くらいには思ってた」


「……それを"決意"というのではないんですかね」