赤い狼と黒い兎



パソコンを起動させるとメールが1件入っていた。



『…?(メール…なんだ?)』



それを開くと、画面が真っ暗になった。



『!?』



驚き、カーソルをゆっくり下へ下げて行く。

…すると、赤文字で“準備はいいか…?”とホラーチックに書かれていた。



『……、』



無意識に眉間にシワが寄り、カチカチとカーソルを動かす。

何かの悪質なイタズラかとも思ったが、



『っ!!』



下の方に貼り付けられていた写真を見たら、イタズラだとは思えなくなる。

思わず、写真を見て、口を押さえてしまった――…



「馨?…どうかした?」



怪訝に思った琉樹がそう聞いてきた。

…ダメだ。これを琉樹に…メンバーに見せちゃ、ダメだ。

本能的にそう思い、画面はそのままでパソコンを閉じた。



「馨…?」

「馨ちゃん?」

『……朔弥』



ダメだ、頼れない。

こんなの、

誰にも、

見せられない――…



『ご、ごめん。何でもない。…たぶん、久しぶりに日光当たったから』

「顔、青いもんね…。大丈夫?無理しないでね?」



目尻を下げて笑い、「大丈夫」と言った。



「……」