赤い狼と黒い兎



被っていたフードを取り、言った。



「ああ…なるほど」

「どこの誰かは知らないけど、トップの族(チーム)を下っぱから徐々に攻めて来てるらしいね」

「しかも、上に気付かれないよう確実に」



さすが、情報が早いなこの2人。



『そう。…今は被害が小さいからまだいい。でもこれが大規模になる前に犯人を捕まえたい』

「そういう事ね。…でもどうやって?」

「何か手掛かりさえあればいいんだけどね…」



そう言った朔弥に、あたしはニヤリと不敵に笑った。



『手掛かりなんかその辺に転がってる』

「?…そういう事ね」

「実際被害にあった人間に、話を聞くっていう手段ね」

『ああ』



この2人は話がわかるのが早く、いらない手間が省ける。

頼りになりそうだな。



『ある程度の情報なら聞いた。あとは調べて尻尾捕まえるだけだ』

「よっしゃ!腕が鳴る〜♪」



指をポキポキと鳴らし、やる気満々の琉樹にあたしと朔弥は苦笑いした。



『どんな手段を使ってでも探し出せ。何時間掛かったっていい。出来るだけ有力な情報を見付けろ』

「オッケー♪」

「わかった」



琉樹から借りていたパソコンを返し、あたしのパソコンを受け取った。