家についてすぐ、電話帳から春架の名前を引っ張り出した。
そして掛けると、1コールで出た。
《よーす馨》
『…呑気な奴だなぁ』
《え〜?…てか学校来るんだって?》
『ああ。そんな事より、』
《そんな事って…》
苦笑いする春架を無視して言った。
『深子と磨子が襲われた』
《えっ!?》
『あと、向日葵もだ』
《な、何で…》
思わぬ報告にきょどる春架にあたしは一言「落ち着け」と言った。
『まだ誰がやったかは特定出来てねぇ』
《………》
『だから、琉樹と朔弥にも言っといて』
《わかった…。深子たちは?》
『病院。でも命に別状は無いから大丈夫』
《そっか、良かった…》
春架と麻友美、おんなじこと言ってる…。
『それと、外出はなるべく避けた方がいいかもな』
《えっ?何で?》
『…お前総長だろ…。もっと周りに目を凝らせ』
《す、すいません…》
『最近、下の奴等が襲われてる』
《……まじっすか》
そのふざけたような感じに少し溜め息が出た。
『だから、犯人捕まるまで外出は避けろ。それでも何か必要なら男呼べ。いいな?』
《了解っす》