赤い狼と黒い兎



「出席日数大丈夫なわけ?」

「ひまか?ひまなぁ〜…」

「ひま、女も嫌いだが学校も嫌いだかんな」

「やべぇかもな」



なんて言ってても面白可笑しく笑ってる。

自分の仲間が留年するかもってのに、そんな呑気でいいんかねぇ…?



「ま、馨が来たらひまも来るんじゃねぇ?」

「は?何で」

「んー…」



トランプを配る唯兎は一旦手を止め、にかっと笑った。



「向日葵サンも気になってるみたいだから」

「……はああ?」



そしてまたトランプを配りはじめる。

意味がわからない…。女嫌いの向日葵が、馨を気にするなんて……。



「おぉ!?またババある〜…」

「お前なぁ?ネタバレしたらつまんねぇだろ!」

「じゃんけんしようか」



やっぱこいつら、能天気決定。

こんなグダグダでいいのかねぇ…?



「春架が…」

「え?」



振り向くと麻友美と琉樹が驚いた顔をしていた。



「?」

「「春架が自分から喋りに行った…!」」



……それかい。



「…お前らなぁ?」

「珍しいですね、琉樹さん」

「本当ですな、麻友美さん」



ああもう、溜め息しか出ない。