赤い狼と黒い兎



「馨、亜稀羅。学校着いたら即音楽室!」



そう、青夜から電話があった。

なぜ即音楽室。

面倒だと思いながらも、亜稀羅と音楽室に向かった。



「お、やっと来たか!」

「待ちくたびれたわよ〜」



加奈子が青夜と唯兎と龍希とでトランプをしていた。

あとのメンバーは寝てたり、雑誌読んでたりと結構自由。

つーか何気、馴染んでるし…。

あれだけ音楽室には入れたくないって言ってたクセに。



「よし、聞いて驚けお前らっ!」

「『へぇ』」

「まだ言ってねぇよ!!」



青夜が仁王立ちで得意げに笑ったのを見て、若干イラつきそう言った。



「…なんと、朱雀とmoonが同盟結んだ!」

「『………へぇ』」

「間が長い。何?そのテンション。もっとないわけ?」



あたしらにそんなテンションを求めるな。

同盟の話なんか前から出てたんだから、今さら驚く必要なくね?



「わー、すごーい(棒読み)」

『同盟組んだねー(棒読み)』



2人して手をパチパチと叩きながら無表情で言った。



「言葉と顔が一致してない!つかすげぇ棒読みだなッ!」

「それほどでも〜(棒読み)」

『あざまーす(棒読み)』

「もういいよ。うん、なんかごめん。俺が悪かったよ」