赤い狼と黒い兎



「つまり…」

『似た者同士』



あたしがそう言えば、春架たちは驚いてこっちを見る。



「似てない!」

「あり得ない」

「馨の目どんな目してんの」



……あたしって、何言っても最終的にこうなるのか?

つーか、もう面倒くせぇから同盟組んじゃえよ。



「てか、いつから同盟の話が出てたんですか?」



琉樹が怪訝そうに加奈子に聞いた。



「いつからって…前々からよ?あれ、言ってなかったっけ?」



きょとん顔からしまったという表情になる。



「聞いてませんよ、そんな話…」

「あちゃー…」



額を押さえてやらかしたアピールをする。



「…あ、あれか。馨に言ったから、みんなにも言ってくれると思って言わなかったんだ…」



それから「ん!?」と立ち上がる加奈子。

忙しいやつだなぁ……。



「私、馨に言ったわよね?」

『ああ、聞いたよ?』

「その時私、なんて言った…?」



あたしはその時の記憶を思いだし、加奈子に言った。



『“moonと朱雀で同盟組もっか”』

「ふむふむ…」

『“あ〜…でも一部仲悪いんだっけ?…まぁ、いっか。同盟組むこと決定〜。じゃ、アタシがみんなに言っとくわ!”』