「したらなんかケンカおっ始めるじゃん?」
「やっぱ溜まってたんだろ、お前」
『……あほか。見てたんなら、わかるだろ…』
額に右手を置き、やるせない溜め息をついた。
『……この際だから、もういいか』
隠すのもめんどいし、今言っても言わなくてもコイツらはあたしにしつこく付きまとうハズだ。
「馨…?余計な事、言うなよ……?」
亜稀羅の背後にブラックオーラが見えるが、あたしは気にせず不敵に笑った。
『榛葉向日葵。』
「!」
『お前のケンカ、悪くはねぇ。…だがな、それをもっと別の事に生かせ。例えば、そうだな…。…何かを守るために』
「……は?」
『それと、もう少し鍛えるといい。体力が無さ過ぎだ。あと、ケンカしてる時も隙が有りすぎる。…それを改善すれば、お前は今よりもっと強くなるぞ』
「……!」
的確な指示を言い当てれば、向日葵は驚いたように目を見開く。
『そうだな…。あたしからはこれくらいだが、外野はどうだ?』
「「「「「何もありませーん」」」」」
『…だ、そうだ。…何か言いたい事でもあるか?』
「……っるに決まってんだろ!!!」
そう叫んだ向日葵の声が、少しだけ木霊した。

