赤い狼と黒い兎



「はい、ストップスト〜ップ!!」

「!?」

『…はあ』



屋上の上、そこに5人が現れる。

…っても、春架たちがずっとそこで高みの見物してたんだけどな。



「うちの馨にそれ以上手ぇ出したら」

「本気でボコられるから」

「止めといた方が身のためってやつだよぉ〜?」

「死にたいなら話は別、だけどねぇ?」

「つーか、馨、何やってんだお前」



あたしは後頭部をガシガシと乱暴に掻き、溜め息をついた。

そして腰に手を置き、言った。



『とりあえず、降りて来い。』



5人はほぼ同時にそこから飛び降り、捲れ上がるスカートも気にせずダンッ!と着地した。



「ゔぉ…!着地しくった〜!!」

「…ダッサ」

「んだと、亜稀羅ぁああ!!!」



着地しくったのは、言わずもがな春架だ。

運動神経は悪くはないんだがな…。



『…はあ』

「そこ!溜め息つくな!」

『指を指すな指を』



ぺいっと春架の手を退かし、また溜め息をついた。



『…で、お前らは何してたワケ?』

「日向ぼっこだよぉ〜♪」

「今日は天気がいいから」

「「ねーっ♪」」



この双子は…全く息ぴったりなもんで。

それが逆にダブルパンチにもなるが。