赤い狼と黒い兎



遅すぎ…って言われても、そんな長いこと寝てた感覚ないけど…。



「お前、あれから2ヶ月だぞ?」

『………え?』



2ヶ月…?



『うそだぁ』

「ほんと!」



病室についてるカレンダーを見れば、確かにあれから日付が変わっていた。

…マジか。どんだけ寝てるの自分。



「ったく…呑気に寝やがって…」



ゆっくりとカラダを離され、じっと見つめられた。

……あの、恥ずかしいんですが。



「…目」

『へ?』

「右目、もう見えなくなるかもって」



人のことなのに…どうしてそんなに悲しい顔するの?