赤い狼と黒い兎



…そんな自慢気に言われても対応に困るんだけど…。



「それはそうと。お前何でここにいんの?」

『…さぁ。死んだから?』

「お前が?嘘だろ。俺が守ってやったのにか」

『………』

「嘘うそ。」



頭を撫でて笑う瑠衣兄。

まぁ…せっかく守ってくれたのに、そうなるよね。



「馨」

『ん?』

「馨はまだここに来ちゃダメだよ」

『え…?』



初めて見る瑠衣の真剣な顔…。



「馨にはまだまだ生きてもらわなきゃ」

『……瑠衣』

「ほら、そんな顔しない!」



きっと、泣きそうな顔、してた…

やっと会えたのに、またお別れなんて…。