赤い狼と黒い兎



どこまでも真っ黒な一面。

どこだここ。

あたし死んだ?

じゃあ天国?…いやいやまさか、地獄か。



「…あれ、馨ちゃん?」

『!』



バッと振り向いた先には、ずっとずっと会いたかった人。



『…る、い兄?』

「おーやっぱ馨か」



嬉しさのあまりに、飛び付いた。

瑠衣兄だ…



「なんだ、泣いてんのかぁ?馨チャーン」

『…泣いてないし』



そう言うとクスクスと笑う瑠衣兄。

…バレてる。



「んー、大きくなったなぁ…」

『瑠衣は変わらないね』

「まぁな!俺、不老不死だからさ!」