赤い狼と黒い兎



「かもな」



そう言って立ち上がった瑠宇さんに驚いた。

かもなって…あたかも死ぬのをわかってたような……。



「でも、アイツは残された人間の気持ちもわかってる。だから、何があっても死なねぇ」

「……瑠宇」

「ま、俺が死なせねぇけどな」



にかっと笑った瑠宇さんは、馨がちゃんと起きると信じてるように見えた。


……俺も、信じて待っててやらねぇとな…。


んで、起きたらぜってー怒る。


だから…早く起きろよ馨…。




−唯兎 side end−