赤い狼と黒い兎



真っ黒な渦。

死んじゃった?

殺すつもりはなかった?



『…アハッ』



つもりは?

どういう意味だ?元から殺す気だったんだろ?



『アッハハハハハッ!!!』



そう、じゃあ…俺がお前を刺し殺しても、文句はねぇよなァ……?



「あ?おかしくなったか馨!」

『ぶっ殺してやる………』



近くに落ちていたナイフを手に取り、ゆらりと立ち上がった。



「ハハハッ!壊れた馨!ギャハハハッ!!」



ダッと走り出し一瞬で嶽との間を詰める。



「!」



ナイフを振り上げれば嶽の頬を掠り、血が垂れる。