赤い狼と黒い兎



『っ!』



瑠衣も、同じこと言ったよ…ッ



『やだ……』

「馨…」

『イヤッ!聞きたくないッ!!』



耳を塞いで、必死に抵抗した。



「バカ!…別に最後の言葉じゃ…ねぇって…」

『……』



唯兎に肩を抱かれ、亜稀羅を見た。

涙のせいか、視界がボヤける。



「おれは…死なねぇ、から……な?」

『………』



ふっ、と笑って親指で涙拭う亜稀羅。

頭の中が、真っ白で、腹の中が、嶽に大しての憎悪で真っ黒になった。



「ギャハハッ!死んじゃった?殺すつもりはなかったんだヨ、馨」

「てめぇ…ッ!!」