赤い狼と黒い兎



「だか、ら…死なない…ってば…」

『……っ』



力なく笑う亜稀羅。

…亜稀羅まで居なくなるなんてやだよ…



「おい亜稀羅!」

「うっせ…」

「救急車来るまで耐えろ!!」

「よゆー…」



傷口を押さえて、痛そうに顔を歪める亜稀羅。

だんだん顔も青くなってきた…。



「ほらどーした馨?瑠衣ん時みてーに叫ばねぇのかァ?」

「てめぇ、ぶっ殺してやる!!!」



亜稀羅の血が、自分の手にねっとりと付く。

瑠衣の時も…出血多量で……

亜稀羅、も……?



『やだ…、やだよ亜稀羅…ッ!』

「馨…」

「…馨、聞け」