赤い狼と黒い兎



『亜稀羅ッ!!!』



逃げるのが遅れた亜稀羅は、そのまま嶽に、刺された…。



「亜稀羅!」

「亜稀羅ッ!!」



……瑠衣の、次は…亜稀羅…?



「ギャッハハハハッ!!!いいぜ馨…その顔…!!」



亜稀羅に近寄ると、そこには血がポタポタと落ちていた。

また……守れない…?



『あき…ら……』

「ハァ…ッ、かお、る…」

『……、やだよ』

「だいじょ…ぶ…だから、な…?…泣くな…」



泣いてない…。これは、そうあくびしたからだ…。



「ゴホッ、…ハァ」

『…あき…死なないで、よ…っ?』