赤い狼と黒い兎



光を、また失くすの…?

瑠衣の時みたいに…?



『……冗談だろ』



もう失うもんか、壊させるもんか。

守るんだ、みんなを。

昔とは違う。


嶽はナイフを持ってる。

下手に動けばそれが刺さって終わり。

…昔のあたしみたいにね。

とりあえず、ナイフをどうにかしなきゃ…



『……嶽?もうやめようか』

「ああ?お前が死んだらな?」



ビュンビュンとナイフが空気を切る。

…昔と一緒、だね…



『あたしが死んだら、嶽はどうする?』

「…どうする?死んだらもう用ナシに決まってんだろ!!」