赤い狼と黒い兎



「お前を1人にはしねぇよ…?」

『っ!』



後ろを振り向けば、唯兎たちが不敵に笑っていた。



『何言って…、ダメに決まってるだろ』

「馨さんの意見は聞きませんよー」

『死ぬかもしれないんだよ!?』

「んー、そんときゃそんときだ」

『なっ…』

「ま、馨守んなきゃ瑠宇さんにフルボッコだしな?」

『そんなの…』

「馨居なきゃつまんないし」

『……』

「満更でもないし」



一歩、また一歩と前に進む。

…まぶしい、ね

やっぱり、あたしにとって朱雀は光で



「馨、絶対死なないから信じてて」



亜稀羅もその光の中に歩いて行く。