赤い狼と黒い兎



「このクソガキ…!!」



上から見下ろしていれば「降りてこい!!」と言われた。

…飛び降りますか。

手摺を優に越え、着地した。



「やっぱあの時、瑠衣と一緒に殺しておくべきだったか…」

『…そうかもな?でも、死ぬ時はお前も道ずれだぜ?』



ふっと不敵に笑えば、だいぶつまらなさそうな顔をする嶽。



「道ずれ?てめぇ1人で死ね」

『お前ば地獄だろ?』

「てめぇもな!!」



バッと走り出す嶽の右手にはナイフ。

それを綺麗に避け、背中に一発食らわせた。



『くっ…』



内臓、やられたかな…

着地した反動が今さらきたのか、吐血してしまった。