赤い狼と黒い兎



「…おい、こいつがここから動かねぇように見てろ」

「はい」



何を……。

嶽は2階から広間に飛び降り、綺麗に着地した。

少し怯え、後退りする春架たち。



「さぁて、一番最初は誰かな〜?」



どこからかナイフを出し、ニヤリと笑う。

…アイツ…!

あたしの目の前で殺る気か……!



「てめぇ…」

「ん?お前からか?」



…このまま見過ごせるわけでもねぇ。

でも後ろには男が居るし…。

ロープ、バレねぇように外すか…。



「ほら、どっからでも来い!」

『…おい嶽』