赤い狼と黒い兎



服はズタボロ。

カラダも傷だらけ。

こんな姿見たらアイツら、発狂しちゃうんじゃねぇかな…?



「馨っ!」

「ほら、愛しの馨チャンだよー」



嶽はまたあたしの肩に手を置き、自分の方に引き寄せた。

…腕、痛いんですけど。



「てめぇ…」

「何?まだ死んでねぇだろ?生きたまま見せてやったじゃん」



不服?とでも言いたげな表情でみんなを見る嶽。

…どっちにしろ、あたしを殺す気か。



『ふ…上等……』

「あ?何か言ったかオイ」

『………』



黙秘な方向で。

知らんぷりしていたら、肩から手が離れた。