赤い狼と黒い兎



「俺のシマで好き勝手やってんなよ、クソガキ共」

「嶽!」



ああ、亜稀羅の声がする。



「ん?ああ、亜稀羅ちゃんじゃない」

「…馨はどこだ」



低く、怒りを露にするような声。



「馨に何かしてねぇだろうな、てめぇ」



春架だ…。みんな、居るのか…。

ややこしいことになったなぁってあたしのせいか。



「まだ、してねぇよ?あ、でも殴っちゃったかも〜」

「てめぇ!!!」

「見てぇか?馨を」



あたしの後ろにいた男がトンと肩を押した。

なんだよ、行けってか。

いちいちムカつく奴だな、くそ…。