赤い狼と黒い兎



咄嗟にコタの背後に隠れれば、3人は急ブレーキをかける。

…うわぁ、ちょっと後ろに般若が見えたんだけど一瞬。



「馨ちゃーん、どーして隠れるのかな〜?」

『…本能的に』

「馨の本能は野生かな?」

『……』

「馨さん、一緒に遊びましょ!」



あたしの中の本能的な何かが危ないと言っているので、嫌です。

というか、笑顔が怖いって!

誰か〜〜っ



「まーまー、お前さん方」



ポンと肩に置かれた手を伝って見上げて見ると、龍希がいた。



「馨さんが困ってるでしょ〜?それに、挟まれる虎太郎の気持ちも考えろって」



今はじめて龍希がまともに見えたよ、うん。

コタもコタで苦笑いしてるしね。