赤い狼と黒い兎



「はい、君たちはもう帰っていいよ〜」

「お疲れ〜♪」



…何この温度差。

つーか犬みたいに扱うなっつの。



『ハイハイ。言われなくても帰りますよ』

「なんかわかったら連絡するよ〜」

『…期待してます』



笑顔で手を振る2人。

それをスルーしてドアを閉める。



「なんかあの2人が揃うと怖いものナシだな…」

『そーかな?あたしからしたら2人の無駄な笑顔が怖いんだけど』



何を仕出かすか、わかったモンじゃない。



『それより、守るって何?』

「え…あ〜……」



目を泳がせて頭をガシガシと乱暴に掻く。



『…簡単に守るとか、言うな』

「馨……」



唯兎は頭を掻いていた手を下ろすと、小さく溜め息をついてあたしの頭にポンと手を置いた。